キズノンスーパーII

強靭なスーパー繊維が板金の曲げキズを防止
SUS6mm、鉄9mmの厚板に対応

主な特徴

  • プレスブレーキ加工時に生ずる、ステンレス、アルミ、カラー鋼板等の曲げキズを防ぎます。
  • 表面処理鋼板等による金型の磨耗や溶着を防ぎます。
  • ワークの長さ・厚みを問わず安定した精度が得られ、曲げ精度にバラツキがありません。
  • 幅が100mmあるため、傷んだ部分をずらして使っていけば、くり返し使用できます。

ニット編みのスーパー繊維で高耐久

防弾ベストや宇宙服にも使われている、鉄より強いスーパー繊維
同シリーズのキズノンシートより強靭なスーパー繊維を伸縮のあるニット編みにすることで、耐久性が飛躍的にアップしました。

SUS6mm、鉄9mmの厚板にも対応

伸縮する高密度のニット編みスーパー繊維がVミゾ下部に引き込まれる伸びを吸収し、シートの千切れを防ぎます。
さらに切れにくくなり、SUS1.5t、鉄3.2mm以上の厚物曲げに特に適しています。

使用方法

シートを、ダイのVミゾにしわのないようかぶせ、前後をテープで固定します。傷んだ部分をずらして使っていくことで、くり返し使用できます。

通常加工時と同じTON数、V幅で使用可能

シートの厚みは1.0mmですが、加圧時は約0.1mmに圧縮されるため、V幅を広げることなく使用できます。

大きなVミゾへの使用例

ミゾ幅が広いダイに使用する場合は、ダイの両側からVの肩部へシートをかけます。シートが傷んだらVの内側へ送り込んで使用することで、経済的にご使用できます。

仕様

適正板厚
SUSアルミ
0.8~6.0mm0.8~9.0mm0.8~12.0mm
型番寸法加圧時厚み
S-05II幅100mm×厚み1.0mm×長さ5M約0.1mm
S-10II幅100mm×厚み1.0mm×長さ10M約0.1mm

シートの耐久性を上げる使用条件

  1. 加工材のバリやドロスを取り除いてからご使用頂くと耐久性が向上します。
  2. 板厚に対して適正なV幅をご使用ください。V幅が小さいと耐久性が落ち、V幅・肩Rが大きいほど耐久性は向上します。
  3. 同じミゾ幅のダイでも、2Vダイより1Vダイの方が肩Rが大きく、シートの耐久性は良くなります。
    (例:1VダイV10の肩R→2R、2Vダイの肩R→0.5R)
  4. アルミ52S材のように柔らかい加工材の場合、シート生地の織り目がつくことがあります。Vミゾを広めにして、肩Rの大きいダイを使用することで防ぐことができます。

キズノンスーパーII耐久データ

すべてのテスト結果はワークへの曲げキズはありません。

材質板厚使用ダイ曲げ長さ曲げ回数シートの状態
SUSt1.5V6 肩R0.4L200183回全く破れず継続使用可能(ワークにシート編み目の厚痕あり)
SUSt1.5V10 肩R2L20060回全く破れず継続使用可能
SUSt6.0V40 肩R4L20025回全く破れず継続使用可能
SUSt3.0V25 肩R3L200181回全く破れず継続使用可能
耐久データについて
  1. シートをずらさずに一か所で固定して行ったデータです。
  2. シートの傷んだ部分をずらして使うことで、データ曲げ回数の4~5倍使用出来ます。
  3. 弊社テストは全て条件の悪い2Vダイの、肩Rの小さいダイで行った結果です。
  4. 通常曲げ加工時と同じTON数で曲げています。

キズノンはニット編みだから高耐久!

なぜ、伸縮するニット編みシートがいいの?

伸縮性が曲げ作業を安定させる

鉄の数倍の強度を持つスーパー繊維を使用し、2倍以上の伸縮性を持たせた「ニット編みシート」を、 写真のようにVミゾの上にピンと引っ張るようにして前後をテープで固定します。 こうすることで、シート上に置いた板材を前後に移動させても、 シートがずれて動くことはありません。
曲げ作業の際、シートがV底に向かって伸び、曲げた後は元に戻ります。常にピンと張った状態を保ち、接着テープが引っ張られて剥がれることもなく、安定した曲げ作業が可能です。

高耐久を生む最大の要因

伸縮する「ニット編みシート」の最大の効果として、板材を曲げる際にシートがVミゾの両肩で固定されていても、 V底に向かって伸びる量が非常に多いため、Vミゾ両肩部にシートを引きちぎる力がかかりません。これが高耐久を生む最大の要因です。

伸縮性のないシートはなぜ駄目なの?

伸縮性のないシートは、板材を曲げ始めてVミゾ両肩に数トンの大きな力がかかると、シートが肩部で固定されます。
その後、さらに曲げていくと、板材はシートの上を滑りながらV底に向かって曲がっていきますが、シートは肩部で固定されたまま、板材に押されてV底に向かって伸びます。
そして、シート素材の伸びの限界点を超えると、両肩部から引きちぎれてしまいます。

これは、鉄の数倍の強度を持つシート素材であっても、伸び率がわずか5%程度しかないこと、 また繊維と鉄の密度の違いから、板材と一緒に滑ってV底へ向かわないためです。

また、伸縮性のないシートはVミゾの上にピンと張ることができないため、曲げ加工のたびにシートが動いてしまい、安定した作業ができません。
加えて、シートを同じ位置でくり返し使うという経済的な使い方ができないことにより、ランニングコストも高くついてしまうのです。